2015年5月劇評
明治座五月花形歌舞伎
あんまと泥棒
猿之助さんと中車さんで、「あんまと泥棒」
「あんまと泥棒」は初めて観た作品。
昭和に入ってから作られた新作歌舞伎は、中車さんにぴったりで、
セリフ回しや演技の上手さが際立ちます。
そこへ猿之助さんの立ち姿も美しい、いなせな泥棒。
たった一場面、二人だけのやりとりで30分以上も飽きさせないのは、
お二人の力と作品の面白さでしょう。
また、このお二人で大作を観てみたいです。
鯉つかみ
今回の「鯉つかみ」は、全幕通しで上演です。
何度か観た作品ですが、通しでは初めて。
通しで観ると、荒唐無稽さが更に際立って、遊園地に行ったような楽しさです!
愛之助さんが、全5役だったかな?あまりにも自然にそこにいるので、
早替わりの必死さが感じられず、逆にすごい!といった感じ。
最後は本水を使っての鯉との死闘を繰り広げます!
愛之助さん、絶対この作品好きなはずです。
毎回、水遊びをするかのように大はしゃぎする愛之助さんを見ていると、
本当にこちらも楽しくなってきて、今日は引っ込みの六方で手拍子が起こるほど、
劇場全体がウキウキした気分で幕が閉じられました。