古典落語「祇園会」を素材にした作品です。
2022年七月大阪松竹座の「七月大歌舞伎」で評判をとった作品で、
同じお二人(中村鴈治郎さんと松本幸四郎さん)の顔合わせで、
2022年芸術祭十月大歌舞伎にて上演されます。
あらすじ
【京と江戸の意地と粋 絡みあう恋模様】
京都の茶道具屋「大津屋」に、指物師の留五郎が、祇園祭に誘われ逗留しています。
留五郎は、大津屋の主人、次郎八が江戸で世話になった人の息子。
京言葉になじめず江戸へ帰ろうとする留五郎ですが、夫の浮気を疑う妻のおつぎから、
詮索を頼まれてしまいます。
一方、次郎八は、贔屓の芸妓の染香と、うまくいかない様子。
山鉾巡行の当日、次郎八と留五郎は持丸屋太兵衛に鴨川の床へ招かれ…。
日本の三大祭の一つ「祇園祭」を背景にした本作。
次郎八と留五郎が、京と江戸のお国自慢を披露する、巧みなせりふのやり取りは
見逃せません。
京と江戸の意地の張り合い恋模様を、早替りの趣向とともに明るく描き出します
歌舞伎美人 公演情報 みどころ
江戸っ子の留五郎が、おつぎの妹の、おそのの恋模様に巻き込まれつつも、
義理に厚い気っ風のよさで、世話を焼いたり、
生粋の京男の次郎八が、京都人の表裏のあるところを面白く見せたりと、
京都と江戸の文化や言葉の違いで、楽しませてくれます。
中村鴈治郎 松本幸四郎
二役早替りにて相勤め申し候
鴈治郎さんと幸四郎さんが、それぞれ二役を早変わりするところが
見所の一つです。
歌舞伎は役によって化粧の、地の色が違うため、
江戸っ子の留五郎と、芸妓の染香を演じる幸四郎さんは、
早替わりの度に、化粧を落として塗り直すの繰り返し!
幸四郎さんの、化粧の速さが成せる技だそうですが、
その裏の苦労を微塵も見せずに、見事に演じ分けていらっしゃいます。
さすがですね。
鴈治郎さんも、見た目は「似たもの夫婦」と言われる夫婦の二役ですが、
正反対の性格の二人を、さらりと自然に演じ分けておられ、
やはり、さすが!という感じです。
上方歌舞伎
この作品が、初めて舞台化されたのは、
昭和三年、六世尾上菊五郎と二世實川延若の顔合わせでした。
その後、昭和32年に宇野信夫が台本を改訂し、
二世中村鴈治郎と十七世中村勘三郎で演じられました。
また平成9年には、宇野本をもとに小幡欣治が書き下ろし、
三世中村鴈治郎(故 坂田藤十郎)と五世中村勘九郎(故 中村勘三郎)で上演されました。
鴈治郎さんにとっては、代々受け継いできたお家の芸のような作品です。
今回は、鴈治郎さんから幸四郎さんへお話があり、
七月の大阪松竹座、そして十月の歌舞伎座での上演に至ったそうです。
見所
歌舞伎は、基本的に演出家はおらず、主役の俳優が全体を見るそうです。
今回の鴈治郎さんのこだわりが、京言葉の微妙なニュアンス。
京言葉は、大阪弁とも違うそうで、実際に京都の料理屋の大将と女将さんに
リサーチして、丁寧に検証して台本を改められたそうです。
そして、ラストの川床で舞妓さんが踊る場面では、黒御簾音楽にも注目です。
歌舞伎には珍しく、女性が演奏しています。
宴席での舞妓の踊りに男性の声では興醒めしてしまうという、鴈治郎さんのこだわりだそうです。
細部にまで「お客様に祇園町の雰囲気を味わっていただきたい」という
気配りが感じられ、ありがたいことですね。
東京の世話物とは、また一味違う、ゆったりとした大らかな関西の世話物。
歌舞伎座が、京都の鴨川の床にワープします。
祇園恋づくし
古典落語「祇園会」を素材にした作品です。
2022年七月大阪松竹座の「七月大歌舞伎」で評判をとった作品で、
同じお二人(中村鴈治郎さんと松本幸四郎さん)の顔合わせで、
2022年芸術祭十月大歌舞伎にて上演されます。
目次
あらすじ
江戸っ子の留五郎が、おつぎの妹の、おそのの恋模様に巻き込まれつつも、
義理に厚い気っ風のよさで、世話を焼いたり、
生粋の京男の次郎八が、京都人の表裏のあるところを面白く見せたりと、
京都と江戸の文化や言葉の違いで、楽しませてくれます。
中村鴈治郎 松本幸四郎
二役早替りにて相勤め申し候
鴈治郎さんと幸四郎さんが、それぞれ二役を早変わりするところが
見所の一つです。
歌舞伎は役によって化粧の、地の色が違うため、
江戸っ子の留五郎と、芸妓の染香を演じる幸四郎さんは、
早替わりの度に、化粧を落として塗り直すの繰り返し!
幸四郎さんの、化粧の速さが成せる技だそうですが、
その裏の苦労を微塵も見せずに、見事に演じ分けていらっしゃいます。
さすがですね。
鴈治郎さんも、見た目は「似たもの夫婦」と言われる夫婦の二役ですが、
正反対の性格の二人を、さらりと自然に演じ分けておられ、
やはり、さすが!という感じです。
上方歌舞伎
この作品が、初めて舞台化されたのは、
昭和三年、六世尾上菊五郎と二世實川延若の顔合わせでした。
その後、昭和32年に宇野信夫が台本を改訂し、
二世中村鴈治郎と十七世中村勘三郎で演じられました。
また平成9年には、宇野本をもとに小幡欣治が書き下ろし、
三世中村鴈治郎(故 坂田藤十郎)と五世中村勘九郎(故 中村勘三郎)で上演されました。
鴈治郎さんにとっては、代々受け継いできたお家の芸のような作品です。
今回は、鴈治郎さんから幸四郎さんへお話があり、
七月の大阪松竹座、そして十月の歌舞伎座での上演に至ったそうです。
見所
歌舞伎は、基本的に演出家はおらず、主役の俳優が全体を見るそうです。
今回の鴈治郎さんのこだわりが、京言葉の微妙なニュアンス。
京言葉は、大阪弁とも違うそうで、実際に京都の料理屋の大将と女将さんに
リサーチして、丁寧に検証して台本を改められたそうです。
そして、ラストの川床で舞妓さんが踊る場面では、黒御簾音楽にも注目です。
歌舞伎には珍しく、女性が演奏しています。
宴席での舞妓の踊りに男性の声では興醒めしてしまうという、鴈治郎さんのこだわりだそうです。
細部にまで「お客様に祇園町の雰囲気を味わっていただきたい」という
気配りが感じられ、ありがたいことですね。
東京の世話物とは、また一味違う、ゆったりとした大らかな関西の世話物。
歌舞伎座が、京都の鴨川の床にワープします。
世話物,演目解説
Posted by yumiko