能狂言「釣針」をもとに作られた歌舞伎作品です。
能や狂言から題材を取った歌舞伎作品を、「能取物」と呼びますが、
その中でも、背景に松、両袖に竹を描いた作品を「松羽目物」と呼びます。
あらすじ
【縁結びのお参りで釣り上げたのは…明るくユーモアあふれる舞踊劇】
大名と太郎冠者は、西宮の戎神社に、妻を得たいと願掛けの参詣にやって来ました。
すると夢のお告げがあり、二人に釣竿が与えられます。
早速、大名が釣竿をさげると、世にも美しい上﨟を釣り上げます。
これを見た太郎冠者は、自分も美しい妻を娶りたいと釣竿をさげますが…。
能狂言の「釣針」から題材をとった「松羽目物」で、
ユーモラスな内容のなかに松羽目物らしい味わいが求められます。
嫌がる太郎冠者を慕う醜女の愛らしさが、可笑しみとともに表現された、
微笑ましい舞踊劇をご覧いただきます。
歌舞伎美人 公演情報 みどころ
内容は、いたって単純です。
願掛けのかいあって、見事美しい妻をめとった主人と、
残念ながら、思ったような妻が来てくれなかった太郎冠者との対比が
面白い作品です。
今のご時世では、女性を釣るとか、顔が美しくないから嫌だなんて、
眉をひそめられるかもしれませんが、そういう内容を吹き飛ばすほどの、
おおらかで、思わず笑ってしまうような、楽しい演目です。
補足説明
最後のいいところで登場する〈醜女〉役の役者は、女方の役者ではなく
立役(男役)の役者が演じるのが、通例です。
大柄な役者が、お化粧も誇張して演じることで、可笑しみが増すのですね。
このように、わざと立役の役者が女役を演じてみせ、
可笑しみや、迫力を出す作品は他にもあります。
「釣女」と同じく狂言を題材にした、「身替坐禅」(みがわりざぜん)や、
立役の凄みを効かせた悪女が登場する「伽羅先代萩」(めいぼくせんだいはぎ)
などがあります。
機会がありましたら、ぜひこれらの作品も、ご覧になってみてください。
西宮戎神社
西宮神社は、兵庫県西宮市にある、えびす様をおまつりする神社です。
えびす様は福の神なので、「釣女」に登場する大名も参詣したのかもしれませんね。
(作品では「縁結びの神様という」と言っていますが)
三連春日造(さんれんかすがづくり)という、珍しい構造の本殿で、
寛文三年(一六六三)に、四代将軍家綱によって寄進されたそうです。
西宮は、西国街道の宿場町として開け、市が立ったので、
西宮戎神社は、市の神、商売繁盛の神様として、栄えるようになったそうです。
毎年、一月九日から十一日の「十日えびす」には、参拝者で賑い、
また、一月十日早暁の開門神事「走り参り」は、福男選びとして有名ですね。
釣女
能狂言「釣針」をもとに作られた歌舞伎作品です。
能や狂言から題材を取った歌舞伎作品を、「能取物」と呼びますが、
その中でも、背景に松、両袖に竹を描いた作品を「松羽目物」と呼びます。
目次
あらすじ
内容は、いたって単純です。
願掛けのかいあって、見事美しい妻をめとった主人と、
残念ながら、思ったような妻が来てくれなかった太郎冠者との対比が
面白い作品です。
今のご時世では、女性を釣るとか、顔が美しくないから嫌だなんて、
眉をひそめられるかもしれませんが、そういう内容を吹き飛ばすほどの、
おおらかで、思わず笑ってしまうような、楽しい演目です。
補足説明
最後のいいところで登場する〈醜女〉役の役者は、女方の役者ではなく
立役(男役)の役者が演じるのが、通例です。
大柄な役者が、お化粧も誇張して演じることで、可笑しみが増すのですね。
このように、わざと立役の役者が女役を演じてみせ、
可笑しみや、迫力を出す作品は他にもあります。
「釣女」と同じく狂言を題材にした、「身替坐禅」(みがわりざぜん)や、
立役の凄みを効かせた悪女が登場する「伽羅先代萩」(めいぼくせんだいはぎ)
などがあります。
機会がありましたら、ぜひこれらの作品も、ご覧になってみてください。
西宮戎神社
西宮神社は、兵庫県西宮市にある、えびす様をおまつりする神社です。
えびす様は福の神なので、「釣女」に登場する大名も参詣したのかもしれませんね。
(作品では「縁結びの神様という」と言っていますが)
三連春日造(さんれんかすがづくり)という、珍しい構造の本殿で、
寛文三年(一六六三)に、四代将軍家綱によって寄進されたそうです。
西宮は、西国街道の宿場町として開け、市が立ったので、
西宮戎神社は、市の神、商売繁盛の神様として、栄えるようになったそうです。
毎年、一月九日から十一日の「十日えびす」には、参拝者で賑い、
また、一月十日早暁の開門神事「走り参り」は、福男選びとして有名ですね。
松羽目物,演目解説
Posted by yumiko